Robot Love
- 藤井 綺香 (東京大学 学際情報学府 先端表現情報学コース 修士2年)
- 木村 正子 (東京工業大学 環境・社会理工学院 科目等履修生)
- 秋山 秀郎 (武蔵野美術大学 デザイン情報学科 学部4年)
- 近藤 恭平 (東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 学部2年)
- Psy39
- 安西 渉 (東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 学部3年)
- 吉岡 大輔 (慶應義塾大学 メディアデザイン研究科 博士1年)
- 山上 紘世 (豊橋技術科学大学 機械工学専攻 修士1年)
概要
もしも、ロボットと人間が恋に堕ちたら、その先にはどんな未来が待ち受けているのだろうか?
子供として人間とロボットの ハイブリッドな存在の誕生はありうるのだろうか?
そして、そのハイブリッドな存在を見たときに、私たちはどのような感情を抱くのであろうか?
愛は全てを超えるという信念の元、ロボットと人間の恋愛や身体的な愛情表現、そして生命と非生命の子孫を残すことのできる未来を、ロボットとVR空間で思い描き、現在の常識を”こわし”ていく。
作者は大人が胎児に戻るという作品を以前制作したが、その作品を作った後に、ただ生まれ変わるだけではなく完全な存在として生まれ変わりたいと強く願うようになった。人間は不完全な存在であり、知能も肉体も人工知能やロボットに追い越されそうになっている。もし、人間とロボットとの子孫繁栄が可能な未来が来たら、肉体的にも知能的にも完璧な存在が生まれるのではないかと考え本作品を制作した。
本作品はVRと実際のロボットを使用し、バーチャル世界と現実世界がリンクしている作品である。体験者はまず、VR内でロボットから愛の告白を受ける。その後、精子となってロボット卵子に向かって進んでいき、卵子に到達すると同時に現実世界では卵子の形をしたバルーンに包まれることで受精が行われるというものである。音響に関してもロボットの発話やナビゲーションの音声だけでなく、羊水や心臓の音をイメージしたサウンドをバックグラウンドに流すことで、受精に向かう高揚感を表現した。受精した後にHMDゴーグルを外すと自分とロボットとの間に生まれたハイブリッドな存在として子供ロボットが実際に現れ、その子供ロボットと一緒に手を繋ぎながら歩く体験ができる。VR世界だけでの体験ではなく、現実世界でロボットと触れ合うリアルな体験を組み合わせる事で、より体験の現実味を増し、メッセージ性の強い作品となったと考えられる。